4/22 室堂~別山乗越~剱沢二股
4/23 二股~三の窓~池ノ谷左俣~小窓乗越~白萩川
4/24 白萩川~馬場島~伊折
(報告 小田)
★剱一周シリーズの2回目である。剱沢を快適に滑って三の窓へ登る。
池ノ谷は急で狭く、威圧感のある谷だ。
しばらく横滑りで様子を見てから、思い切って回転する。
あとは気持ちよく、1500mまで滑り下る。
残雪が少なく、池ノ谷ゴルジュが心配なので小窓尾根を越すことにする。
これが結構大変で、時間がかかり、白萩川へ下ったところで暗くなる。
予備日を使うことになってしまった。
道路はまだ開通せず、伊折までの8kmを、兼用靴で歩いて下った。
(報告 立浪)
剱岳の山スキーの話しを小田さんから聞き、漠然と昔登った時の感覚でいたら、滑るルートの難しさが尋常ではないと知ったが、後の祭り。
転んだ「死」という池ノ谷が待っていた。
足の手術から1ヶ月ちょっと、新調したスキー靴は幅出しして調整したが、足首の激痛は耐えがたいものだった。
まるで焼きごてを当てられるようで、手術を終えた夜のようだった。
何とか別山乗越を超えて剣沢を滑ったが3回も転び、翌日の不安が高まった。
翌朝、スキー登行は快適だったが、ターンで何度も転び、スキーを外した。
落ちた体力で、小田さんともずいぶんと離れてやっとのことで三ノ窓を上がった。
池ノ谷の上から見た雪渓は、とてもスキーを楽しむとかいうものでは無く、転ばないように気が抜けない横滑りで始まった。
だいぶ下ってからやっとターンできる余裕ができるほど。
池ノ谷ゴルジュの雪の状態がからないので、高巻いた後の下りは急だった。
腐った雪でずっと後ろ向きに下山。
昨年の滑落事故が頭をよぎり、慎重にステップを切っていたのでかなり遅れてしまった。
それでも空洞になっていた雪を崩して危ない場面も。
私が登りも下りも遅かったので、最後に2回懸垂下降したら、日没になってしまい予備日を使うことに。
林道歩きは長く激痛だったが、バリエーション山スキーの充実感に満たされた。
別山乗越を越えて剱沢へ滑り込む。室堂側の喧噪に比べ、こちらへ来る人はごくわずかだ。
標高差1000m を滑り下って、この日は二股にツェルト泊。真砂の出合にテントが一つあっただけで、他には誰もいなかった。天気に心配はないはずだったのに、夜半、雨が降り出し、ヒヤヒヤした。幸い30分ほどで上がってくれた。
明ければ快晴。三の窓が早くも朝日に輝きだした。標高差1000mの登りである。
三の窓雪渓中間部の登り。今年はデブリがひどい
ようやく三の窓到着。しばし休憩して、池の谷の下りへ向けて、鋭気を養う。
池の谷をのぞき込む。最初から急だが、その先がもっと急に落ちていて見えない。
横滑りで少し下ると下が見え始めた。1000m下まで一直線である。
いよいよ滑降。あちこちに石があるので、慎重に滑る。 あたりのロケーションは最高。
二股を過ぎると傾斜も落ち、緊張感から解放された。
後半のポイントは池の谷ゴルジュの通過。今年の大雪に、当然埋まっていて通過可能のつもりで来たのだが、警備隊の話では、4月に入ってからの雨続きで、雪解けが1ヶ月早いという。安全を期して小窓尾根を越すことにした。ところがこれが厄介で時間がかかり、白萩川へ下ったところでもう1泊することになってしまった。背景は大窓。
3日目、白萩川を下り、取り入れ口の堰堤を右岸から越す。徒渉はせずにすんだ。このあたりの残雪はいつもよりずっと多い。
馬場島到着。ここまでスキーが使えた。但し、道路がまだ開通しておらず、この先、伊折まで8kmの舗装道路を兼用靴で歩く羽目になった。